1992 diary

日常 夜の街 詩 俳句 

記憶が飛ぶまで

記憶が飛ぶまで飲んでしまう。

いつからか記憶が飛ぶまで飲まないと

飲んだ気がしなくなった。

酒に強い訳でもないので日本酒二合でも

飲めばもうほろ酔いだ。

だがそれでは収まらない。

更なる酔いを目指して杯を重ね、

どこかの時点でブラックアウト、

気が付いた時は家の布団の上だ。

いつまで飲んだのか、

どうやって帰ったのかも記憶が無い。

二日酔いの吐き気に耐えながら、

着てた服のポケットからレシートや小銭や

グシャグシャの千円札をかき出し、

何とか昨夜の足取りを探そうとする。

ごっそり減っている口座残高を見て

更に吐き気が増す。

無駄だ。余りにも無駄過ぎる。

無駄だと思えることの中にこそ意味がある

なんて事は全く無く、クソ無駄だ。


それにも関わらず週末の夜になると

また嬉々としてネオン街へ飛び込む。

そしてまた同じ事を繰り返す。


何となく理由はわかっている。

おそらく毎週自分を小さく殺して

いるんだと思う。


満たされきれない現状へのもどかしさ、

葛藤、行動できていない己への苛立ち。

そんな全てを毎週末殺しているんだろう。


こんなのリフレッシュとは呼べないぜ。

キリがない上に何も生み出さない。

その内大切な何かを失うだろう。


そろそろ生き方を変える時が近づいている。